2008.06.11 Wednesday
親の言うことを聞けない(その1)
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大学受験を通じて高校生を指導していく中で、様々な経験をしています。
そんな経験の中から得た「気づき」を、伝えていきます。
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親の言うことを聞けない(その1)
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高校生ともなると、
親とのコミュニケーションの機会がずっと減るのが一般的です。
そもそも物理的な接点がなくなるということがあります。
部活動、学校行事、塾、遊び…
いろいろな用事が目白押しで
早朝に家を出て、夜遅く帰宅し
帰ってくると風呂に入ってバタンキュー…。
いろいろなことを自分で判断できるようになり、
しかも体力もついてきているので
必然的に家の外で過ごす時間が長くなるわけです。
もう一面において
親とコミュニケーションを取りたがらなくなるという現象も表れます。
まあ反抗期の延長線上のようなものです。
※当然、親とコミュニケーションをとりたくないから
物理的に家の外にいる時間が長くなるということもあるでしょう。
塾の人間として保護者の方と話す機会があると
「いや〜、もうこの年頃になると我々の言うことは聞きませんから」
と諦め気味に納得しているケースもありますし
「中学受験の時はあんなに聞き分けが悪くはなかったんですけどね」
というように、昔と比較してため息をつく場合もあります。
いずれにせよ、
親にとって、子供とコミュニケーションがきちんと取れないのは
気分のいいものではありません。
「そういう状況の捉え方の一つ」というのが
今回のテーマです。
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「思春期の子供が親の言うことを聞きたがらないのはむしろ自然なことだ」
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という内容の英文を入試問題の長文で読んだことがあります。
理由をまとめると以下のようになります。
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まず前提として
「思春期というのは自我を確立していく時期である」
と位置づけられます。
自我というのは簡単に言うと
「自分が自分であること」
言い換えれば
「自分は他の人間とは違うこと」
ということです。
その一方で、子供にしてみれば
「自分が親と良く似ている面を持つ」
ということを何となく分かってきています。
そこで
「うっかりして親の言う通りに過ごしていると
自分が親のコピーになってしまう」
という不安を無意識に抱えているのです。
自分が他の人間と同じになったら
自分の存在意義がなくなってしまいます。
つまり
「親の言うことを聞かなくなるのは
自我を確立しようとする無意識の反映であり
むしろ自然なことなのだ」
と言えるそうなのです。
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このことは、
やはり子供よりは親の方が理解し易いと思います。
親は自分が子供だった時期を経験しているけれど
子供は自分が親である時期を経験していないわけですから。
親にもそうやって自分の親を疎ましく感じていた時期があるはずで、
それは無意識の部分の衝動で、
しかも必要悪のような反抗であるが故に
親に対して反抗したり、親を無視したりしながらも
なんともやる瀬ない気分や
どうにも割り切れないイライラを感じていたことを
漠然とでも思い出せるはずだからです。
もっとも、この論文には続きがあります。
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そうやってなるべく「親のマネはすまい」と頑張ってきたはずの子供も
実は大人になってみると
結局親と良く似た面は自分の中にきちんと残っていることに気づき
「血は争えないなあ」と苦笑し
自分は親の子供であることを受け入れられるようになる。
そうなってから、今度は大人同士の深みある親子関係が始まる…。
というものです。
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なんとも微笑ましい結論ですね。
「親子の関係」「思春期」「自我」といった題材は
広く深い題材であるため、
上述したようにこの論もあくまで「説明の一つ」でしかありませんが、
ある程度の納得感があり、
しかもハッピーエンドであるという点でいい論だと思います。
こういう話を指導の現場でどのように使っているかということを
次回書きたいと思います。
【今回の引出し】
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自我を確立する思春期には、自立に必要な一段階として
「親の言うことを聞けなくなる」
という状況が生まれることを知っておく。
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<筆者プロフィール>
【岩田朋彦(いわたともひこ)】
千葉県柏市にある最難関大学受験のための学習塾「IRL」の塾長です。
『ベストバリュー・ベストモチベーション・ベストケア』をモットーに、
ひとりでも多くの生徒が、大学受験を通じて人間的にも大きく成長してくれる
ことを願いながら、日々の塾運営をしています。
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